~ 繊維でも繊維以外でも 各種製品を様々なパターンで試験設計します ~
2022年7月、一定の加工をした繊維製品の、アレルギー物質に対する機能性を評価する国際規格【ISO 4333 -繊維製品上の花粉やダニ由来タンパク質等の減少度測定方法- 】が発行されました。これまで不揃いだった評価に対して一つの指標ができ、今後同機能を謳う関連製品が市場に普及していくことが期待されます。
一般財団法人ニッセンケン品質評価センターでは繊維製品はもちろん、ISO 4333を応用するなどし、繊維以外の各種製品への評価試験の対応を進めています。
ISO 4333が発行され、これまで各社不揃いだったアレルギー物質に対する機能性評価に対して、明確な一つの指標ができたと言えます。統一された公的基準を各社が用いることによって製品開発も活性化され、消費者にとっても“分かりやすく“なり、今後は市場が正常に発展していくことが期待されます。
一方で、ISO 4333制定後から、試験規格で決められた試験条件と自社製品の使用環境に乖離を感じている企業もあり、消費者が実際に当該製品を使用した際に、想定した性能が十分に発揮できるかがどうか、不安であるといったご相談もお聞きしています。さらに、繊維製品以外の評価に関するご要望も多く聞いています。
そのようなご要望を踏まえながら、現在ニッセンケンでご提供しているアレルギー物質に対する機能性評価試験の主な内容を以下にご紹介します。
①ISO 4333 -繊維製品上の花粉やダニ由来タンパク質等の減少度測定方法-に準じた評価試験
繊維製品に対し、規格の内容に準じて試験を行い、製品の評価をします。
②繊維製品以外を対象とした評価試験
ISO 4333等の既存規格や今までに得た生物試験の知見・技術を応用し、繊維以外の様々な製品に対する評価試験を実施しています。
【対象製品の一例】マスク、寝具、インテリア、壁紙や床材など建材、エアコン、空気清浄機のフィルター等
③ISO 4333の応用による実使用環境に即した評価試験
― 「ISOのタンパク質量」と「実際の環境中の暴露量」を比較したことによるアレンジ試験
アレンジ試験の一例をご紹介します。
例えばスギ花粉に対して、国際規格であるISO 4333の試験条件では、25 cm2の検体あたり10~20 ng/mLのタンパク質を接触させます。一方で環境中での暴露条件の場合、25 cm2あたり多い時で約400 ng/mLのタンパク質量が付着する可能性があることがわかりました(表1参照)。
ISO 4333の試験条件では最大100 ng/mLまでタンパク質量を増やすことが認められていますが、ニッセンケンではご要望に応じて規格外の濃度での実施も可能です。
表1:実環境での花粉飛散量
*東京都保健医療局のHPより引用
④様々なアレル物質が評価の対象になります
日本国内においてスギなどの花粉、ダニのフンや死骸、ハウスダストなど『アレル物質』によって引き起こされるアレルギー症状に悩む人が急増し深刻な問題になっています。厚生労働省の調べでは、日本人の2人に1人が何らかのアレルギー症状を罹患しているとも言われています。
ニッセンケンでは、生活の中で問題となっている様々なアレル物質を評価の対象としています。
表2:評価するアレル物質の一例
ニッセンケンでは規格化された試験はもちろん、各社のさまざまな製品に合わせた試験条件を設計・ご提案することが可能です。今回ご紹介した試験や対象アレル物質以外でも、対応できる評価試験は数多くあります。また「機能性のエビデンス取得をどうすればよいかわからない」、「一歩、深掘りしたい」とお感じになることもあるかと思います。
そのような時には、ぜひお気軽に、ニッセンケンにご相談ください。
本リリースに関するお問い合わせ先
ご相談、ご不明な点等はウェブサイトのお問い合わせフォームからご連絡ください
>> お問い合せフォーム