微生物の繁殖によって生じる水回りの“バイオフィルム”。バイオフィルムが発生すると不衛生な状態となり、清掃をしても完全に除去できないことがしばしばあります。一般財団法人ニッセンケン品質評価センターでは、衛生的な生活環境を確保するための抗バイオフィルム機能の評価試験を開始しました。試験対象はステンレス製品、プラスチック製品等多岐にわたります。各種お問合せを受け付けていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
【バイオフィルムとは】
バイオフィルムとは、微生物や微生物の細胞によって形成される多糖類、脂質、核酸からなる集合体です。水回りの排水口、シンク、トイレなどに見られる「ぬめり」や、医療分野での歯垢としても知られています。バイオフィルムには、発酵食品(例:味噌、醬油、納豆など)や植物の生育を促進させるといった利点もありますが、住環境においてバイオフィルムができてしまうと、不衛生なのはもちろん、排水口の詰まりといった問題が生じます。また、人体においては歯周病や慢性呼吸器感染症、糖尿病など様々な病気の原因の一つになることから、近年幅広い分野でバイオフィルムへの対策が注目されており、バイオフィルムを形成させない/付着させない加工を行った、『抗バイオフィルム性製品』への関心が高まっています。
【抗バイオフィルム試験の概要】
目的 | 製品の表面のバイオフィルムのできにくさを評価 |
対象製品 | プラスチック、金属、ステンレス、ガラスなどの製品 |
試料 | 基本は30mm×30mmの平滑な正方形 *無加工品と加工品を比較する。 |
試験方法 | 試料を菌液に浸漬した状態で48時間培養。試料上のバイオフィルムを染色し、吸光度計によって試料表面上に形成したバイオフィルムを定量する。 |
評価方法 | 抗バイオフィルム活性値 Anti-biofilm activity [R(%)]で評価。無加工品に比べてどれだけバイオフィルムの形成が抑制されたのかを示す値で評価する。 R=(1-Wtreated/Wuntreated)×100 Wtreated:加工試験片の吸光度の平均値 Wuntreated:無加工試験片の吸光度の平均値 |
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